二丈渓谷(加茂川)
 

二丈渓谷概説
 雷山の沢筋が興味を持てるほどの物では無かった為に、それ以西の沢筋については調査をしなかった。ところが、加茂川上流、二条渓谷で沢登りをしたという話を聞いたので、参考の為と思って出かけたところ、結構面白い沢筋であった。美しい滑と、登りごたえのある滝が二ヶ所、楽しい遡行が味わえる。すぐ横に散策路が続いているので、高巻きは簡単にできる。二つの滝を巻けば、初心者を交えてもザイルは必要ない。初心者を連れていくのに最適な沢である。ただし、水質が悪く人工物が目立つ。実質遡行距離1.5キロ程度、遡行時間3時間程度。

アプローチ
 糸島の有名観光地だから、アプローチは明確であるが、福岡市から出かけるにあたっては一つ注意を要する点がある。国道202号線を辿ることになるが、国道202号線は二つ存在する。一つはJR線に沿って走り、唐津街道と呼ばれるルートと、福岡前原道路と呼ばれる自動車道路の高架下を通り、自動車道路終点と合流してからさらに西へ伸び、二丈浜玉道路と呼ばれるルートである。唐津街道を進む場合は問題ないが、福岡前原道路もしくは高架下の202号線(今宿バイパスと呼ばれる様だ)を辿る場合には福岡前原道路終点からそのまま直進すると、二丈浜玉道路に入ってしまい、二丈渓谷への道の上を陸橋で通り過ぎてしまう。従って、福岡前原道路、もしくは今宿バイパスを進む場合は、上深江の交差点を右折し、唐津街道に合流しなければならない。二丈支所入り口で唐津街道に合流した地点から2.8キロで二丈渓谷へ続く車道が分かれる。派手な道案内が設置してあるから、注意していれば間違うことはない。入渓点となる「ゆらりんこ橋」には広い駐車場がある。                

二丈渓谷コース解説 Aランク
 ゆらりんこ橋を渡り、遊歩道を辿ると5分程度で赤い壁を持ったコンクリート製の地蔵堂が出てくる。ここから入渓する。遡行部分の上流に集落があるために、生活排水が流入しているのか濁りが目立つ。小滝を次々と越えていく途中に、数カ所綺麗な滑が出てきて楽しませてくれる。1時間ほどで広場に出て、数本の滝が合流してくるが、左の4m滝が本流。更に30分ほどで15m斜瀑に出る。結構、迫力のある滝だ。水流の中を登るのは中間ピンが無い為に、水量が多い時は危うい感じがする。キャメロットNo.1〜4を持参すれば、左の凹各伝いに中間支点は取れる。危険を感じたら、水流の左の岩壁部分を登って、トップロープを取った方が良いだろう。滝の落口右端に適当な灌木が生えていて、良いビレイ点となる。ここから20分程で渓谷の目玉、明神の滝に出る。落差25m程度、3段の見応えのある滝である。脊振山塊北面では最大級の滝だと思われる。登られた記録は見ないが、登りたければ中央左寄りから取り付き、写真の赤線に沿って2段目の滝の上に出て、その後、水流を横切り、3段目の滝の右側にルートを取るのが、安全でお薦めのコース。残置ピンは無いが、No.0.5〜2番程度のキャメロットを数個持参すれば、中間支点は取れる。この上も小さいながら斜瀑が出てきて、楽しい遡行が続く。最後は巨大な堰堤に突き当たる。ここから左の尾根に上がると、加茂神社である。下りは遊歩道を30分程度で、駐車場に着く。遡行自体は面白い所だが、終盤に近づくと、異臭を感じるくらい水質が悪いのが最大の欠点。

                   

                     二丈渓谷溯行図

 

                     15m斜瀑

              

                   3段25m滝(明神の滝)

   

        二条渓谷写真

 

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