製作:米澤    

 

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始めに

                  
 脊振山塊北面の沢筋全てを踏破した「沢屋」は多いだろう。しかし、簡単に手に入る範囲では、溯行図が添えられた網羅的な紹介はなされていないようだ。そこで、これから脊振の沢登りを始めようという人のためにこの場を借りて脊振山塊北面の沢筋の紹介をしたい。
 まとまった紹介としては、沢グルメさんのホームページ「川・花・こころ」が群を抜いていたが、残念な事に閉鎖された。この記載を行う上で、「川・花・こころ」を参照させて頂いた事を付記する。

 

          

                  脊振山塊北面沢筋概念図

           (青線:調査した沢筋、 赤線:車道、 緑線:歩道)

 

脊振山塊北面の沢筋概説


 ここに述べる脊振山塊北面とは、雷山(らいざん)〜井原山(いわらやま)〜金山(かなやま)〜脊振山(せふりさん、またはせぶりやまと呼ぶ人もいるようだ)を結ぶ尾根筋の北面をさす。この範囲の左右は高度が落ちるために、沢登りの対象となる谷筋は存在しないと思われる。脊振山塊北面は断層による花崗岩の急傾斜をなし、多くの沢筋が食い込んでいる。地図を見る限りでは興味ある沢筋が多く存在しそうだが、歩いた範囲では脊振山塊の高度が低いことより、市房、祖母・傾の沢に匹敵するような物は皆無であった。それでも、福岡市西部の市街地から30〜40分程度で入渓出来るので、手軽に沢登りが楽しめる。更に、花崗岩の沢床を流れるせせらぎが美しく、気持ちの良い溯行が続く。
 脊振山塊北面の沢は大きく4つの水系に分けるのが便利だろう。すなわち雷山に突き上げる雷山川水系、上流で洗(あらい)谷とダルメキ谷に分かれ、井原山に突き上げる瑞梅寺(ずいばいじ)川水系、金山に突き上げる室見川本流水系、脊振山に突き上げる椎原(しいば)川水系の4水系である。椎原川は室見川に合流するので、二つを合わせ室見川水系とする考えもあろうが、流域面積が大きくなりすぎる。室見川本流である八丁川は井原山に突き上げるので、ここでは井原山の水系に含める。
 ある程度沢登りの経験を積んだ者であれば、ほとんどの沢は格別の登攀具は必要としない。しかし、初心者を交えた場合は本文中で特にことわらなくても、Bランク以上の沢では一応簡単な登攀具を持参した方が良いだろう。また全ての滝を直登しようとすると、中には本格的な登攀具が必要となる部分が出てくる。本格的な登攀が出てくる場合は出来るだけ本文中に記載した。溯行図は正確を期したつもりだが、当然記載ミスがあり、さらには、水流の落下を滝と見なすかナメと見なすか、連続する滝を1本の滝とするか個々の滝とするか等、微妙な問題が出てくる。従って溯行図はおおよその目安に過ぎないと考えなければならない。
 沢を三つのグレード(Aランク:お薦めの沢、Bランク:行く価値はある沢、Cランク:行っても仕方の無い沢)に分けた。私は岩登り専門なので、当然、登り甲斐のある滝を多く持つ沢の評価が高くなる。沢の美しさについては別の評価があるだろうから、ここでの評価は一般的な物ではないということをことわっておきたい。私のベスト4は、洗谷中俣、滝川本流、長尾(広滝)川、坊主川である。

 

沢筋の名称について


 原則として、川の名称は行政が決めた公式の名称に従うべきであろう。福岡市を流れる河川については、「普通河川の指定」(http://www.city.fukuoka.lg.jp/d1w_reiki/reiki_honbun/q003RG00000739.html)にリストが掲載してある。これが最も権威のある資料であろうが、全ての川を網羅しているわけではなく、また川の位置を同定しづらいといった点がある。あと一つの資料として「福岡市の河川」(http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/29063/1/fukuoka_river.pdf)には河川の位置が図示されている。この資料が一番使いやすいが、この図の出所が不明な為に、どこまで公式の物かはあいまいな点が残る。原則として、この二つの資料に従うことにする。しかし、登山者の間で一般的に使用されている名称もあり、その場合は併記した。さらに、支流になると名称のはっきりしない部分も出てくる。その場合には「川・花・こころ」を参考にした。それでも尚、名称不明の場合は、右俣、左俣というように、支流の位置関係を用いた。

 

      

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